ダンデライオンの風が舞う:4





そうだよ良い状態なんて継続できる訳がない

俺は夢を見たかったのか?




ダンデライオンが舞う:




「あれー…?今日もいない」

ジローが口を尖らせながら嘆く
数ヶ月前に日吉と見つけた丘に、ジローは足を運んでいた
折角だから、といい丘の上にある大きな木の下に腰掛ける。
そろそろ枯葉が散り始める季節だ。
あの時から、日吉はよく丘に来ていた。
昼休みや放課後、ジローを探しているかのように。
そんな2人の「秘密」もあってか、部活の時にジローがいないと
日吉が探しに行くようになっていた。

やはり成長期なのか、何時の間にか日吉はジローと同じくらいの背になっていた。
顔つきも、あの時よりももっと落ち着きを感じさせる。
その所為もあってか日吉はよくモテるのだ。
色々な所を寝てまわっているジローは、その場面をよく見かけていた。
見る限りは、今までのは全て断っているらしい
駄目だと思っていても、嫉妬してしまう。自分のものでもないのに。
いつもジローはそう思っていながらも、
そんな場面を見た日に日吉が丘に来ると、冷たくしてしまう。
だが、そうしてしまう理由が、他にもあった。
日吉は、どうやら同姓、つまり男にも好かれる性質らしい
ジローの同級生の会話の中に、何度か日吉の事が出てきていた
内容からして、あまり良いものではなかったのをジローは覚えている


ここ数日、日吉は丘に来ない。
元々会う機会が少ない2人は、丘で会う事しかお互いを確認できなかった。
ほぼ毎日丘で顔を合わせていたのに、いきなり日吉は来なくなった
それでもジローは、きっとこの丘に日吉は来ると思い、毎日通っている。
しかし、やはり今日も日吉はいない



****

ジローに近づく足音
何時の間にか眠っていたジローは、眼を開けた

「…ひよし?」
「あ、違います。オレッ…」

ジローが起き上がるのを、何か言いかけた少年は言葉を呑んで待つ

「…んで、なに。だれ?キミ」
「あ…オレ、日吉と同じクラスの、鳳って言います。」
「おーとり?ふーん…」

たまに、日吉の口から出てくる名前だった。
不機嫌な声を出してしまったジローは、先輩らしくないなと思いながらも、
自分と同じ目の強さをしている鳳に敵対心を出してしまう。
見て、すぐ分かる。鳳も日吉が好きなのだと。

「あの、先輩。日吉の事、聞きましたか」
「え?…きいてないけど。」
「…そう、ですか。そしたら…」

俺が話します。と、鳳は深呼吸をしてから慎重に話し出した。

「俺、昨日…若がずっと休んでたので、若の家に行ったんです。」

鳳が日吉の事を“若”と呼んでいるのに不快感を覚えながらも、ジローは話を聞く。

「それで、若から話、聞いて。若からジロー先輩の事、よく聞いてたので、
 話した方が、いいかなって…」

最悪の状態は、予想できていた。
まさか、現実になるなんて、

「若…強姦されたんです」

頭の中が真っ白になり、激しい頭痛を覚えた










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