7.制服







目の前には、自分より少し大きい手
右手でリュックを担ぎ、左手は…空いている


[制服]


自分でも驚くくらい
手を繋ぎたくなった日吉は、少し右手を前に出してみた。
いきなり手を握る訳にはいかず、とりあえず制服を掴む
少しくいっと制服を引っ張りすぐ手を離した。
その少しの振動にも気付いたのか鳳は後ろを振り返った

「どしたの?」

へら、と笑い歩く足を止めた。
一緒になって日吉の足も止まる

「…」

日吉は何も言わず、下を向いたまま自分の右手を凝視している
すぐ日吉のしたい事を悟った鳳の表情は少し困ったものに変わった

「ひよし」

名前を呼ばれて鳳の方を見る
鳳の目は、謝っていた。できない、と。
最初からわかっていたはずの事。
自分たちの関係は、周りから非難されるもの
わかりきっているはずだった。

そんな気持ちもわかったのか、
鳳は日吉に気付かれないくらいの溜め息をついた
そして日吉の手を掴み、制服の端を持たせた。

「ここなら、」

鳳はそう言い、最初に見せたような笑顔をした
いきなりの鳳の行動に目が丸くなっていた日吉は、
だんだん顔が赤くなっていき、制服を掴む手の力を強めた。

「じゃあ、帰ろうか」

鳳の一声で、ニ人はまた歩き出した。









 無理矢理にも程がある…;


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