ダンデライオンの風が舞う:2



ダンデライオンが舞う:


そういえば、俺とジロー先輩が初めて逢ったのは2年前。
俺が1年生でジロー先輩が2年生、夏休みだったと思う。
いつもなら向日先輩が捜しに行くのだが、練習試合をしていた。
その為、誰も捜せそうな人がいなくて困っていたその時の部長が、
真面目に捜してくれそうだからといって俺を指名してきた。

(なんで俺なんだよ)

悪態をつきながらも、性格上捜さない事もできない。
中庭や体育館裏などを捜してみても先輩はいない
イライラしてきた頃、ふと木陰で休もうと目を向けると
ふわふわした黄色くて丸い物体
すぐジロー先輩だと分かった俺はイラついてるせいか
少し早足になりながら目的の場所へ向かった。


「ジロー、先輩っ」
「……」
「…先輩」
「……」


イライラした声で呼んでみても何も返事が無い。
すこし不安になって、弱くなった声で読んでみるが、
やはり返事が無い。
今度は身体を揺らしてジローを起こそうと試みる。
ジローの身体を触ろうとすると、いきなり腕を掴まれた

「…っ!や、だ…ごめんなさいっ」
「なぁにそんなにこわがってんの?なにもしねーよ」

目を丸くして倒れたまま上を見上げると、上体だけ起こしたジローの姿。
その顔には余裕や、楽しさ、そんなものが見えた気がした
一瞬でも怖くなって謝ってしまった自分がはずかしくなってきた


「わースゲ、日吉ちょー顔まっかだよ」
「!!」


そんな事を言われて更に赤くなった俺は、早くこの場から逃げ出したかった
でも、腕はジロー先輩に掴まれたまま。
この頃はまだ1年生だったから、俺の方が身体は小さかった


「あの、先輩」
「なぁに?」
「早く部活、戻りましょう」
「あー…そっか!部活かぁーあったねぇそんなモノ」


ジロー先輩がにこにこしながら動く気配が全くない
困っているとそれが顔に出たのか、じゃあ行こうか、と、
突然俺の腕を引っ張り歩き出した。
訳がわからず取り合えずついて行くと、知らない風景


「え、あの、部活は?」
「ん?そんなのあとでいいじゃん」
「よくない!!…ですよ。俺だって練習したいんです!」
「……じゃあ、はやくかえしてあげるから、ついてきて、ね?」
「…絶対ですよ」


どこか、期待していたのかも知れない。
新しい世界を見せてくれるのではないかと。







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